りん王国…そして歴史が始まる…
その両手は、夢を掴むためにある!

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学生生活

「ったりぃ」

英語の授業が進む教室で自分にしか聞こえない程度の声でつぶやく。

どうしてこの先生は、英語の授業を英語で説明するのだろうか?

こっちは生粋の日本人なんだ。

日本語で説明してくれなきゃ、何をしていいのかワカンネェんだよ。

英語の説明を理解できたら、英語の授業を受けなくても十分外国で通用すると感じるのは俺だけだろうか・・・?

早く英語に馴染んでもらおうと、英語を話して授業しているのは分かるのだが、はっきりいってウザイんだよなぁ。

日本語で説明してくれたほうが、こっちはもっと早く理解できるのに・・・

「Hi,Mr.柴田.Can you hear me?」

「・・・・イ、イエ〜イ」

「OK OK」

英語教師は笑顔で歩いていった。

授業について考えていたら、先生の接近に気づかなかったぜ。

まだまだ俺も甘いな。

しかし、さすが俺だな。

常人だったら、あのような回答できるわけねぇ。

しかし、まだ授業終わんねぇのか?

早く放課後になれよ、デーと行けねぇじゃん!

キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン

「それじゃ、今日はここまでね。See you!」

そういって英語教師は教室から出て行く。

「よっしゃー!放課後じゃ〜!!!」

俺は雄叫びを上げ、教室を飛び出す。

「あっ、おい!HRどうすんだ、欠席になるぞ?」

「代返、よろピク♪」

廊下を走りながら叫ぶ。

「キモイんじゃ!」

心優しき友人Aは、快く代返を引き受けてくれるだろう。

桃色の放課後が、いま始まった。


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