NO フットボール NO ライフ
彼は強い。
生まれてから、ずっとサッカーボールと触ってきたオレとしては負けられない。
変なプライドがついたものだ。
彼のポジションはミッドフィルダーでフォワードのすぐ後ろにいる。
彼は凄い!
フォワードにキラーパスもするし、自分で攻めてきたりもする。
ドリブルで敵をかわす姿は華麗の一言に尽きる。
そして、彼の必殺シュートは「オーバーヘッド」だ。
一度、俺の守るゴールが彼のオーバーヘッドで網をゆらされた経験がある。
あれは悔しかった。
あんな凄まじいオーバーヘッドはアニメでしか見たことがない。
そんなことを考えてたら、彼が一人で攻めてきた。
こっちはディフェンスが三人もいるんだぞ、頭大丈夫か?
敵なのに、そんな心配をしてしまった。
しかし、彼に心配はいらなかった。
彼は華麗なステップでディフェンスの一人をかわしていった。
すぐに、もう一人のディフェンスがつく。
すぐにディフェンスが来たことを確認すると、彼はボールを前に蹴り上げ、ディフェンスの頭の上を通り越してディフェンスを抜いていった。
むろん彼はボールを蹴り上げると同時に走り出していたから、ボールを見失わずに済んだ。
あと一人のディフェンスは、彼に追いつこうとしたが追いつけず、しまいには転んでしまった。
かわいそうだが、こっちは彼がすぐそこまで攻めてきているので、それどころではない。
こうして、ついに彼とオレの一騎打ちの構図が出来上がってしまった。
昔オーバーヘッドでゴールを決められたときのことが、フラッシュバックしてきた。
怖い・・・・・。
確かに怖いが、今のオレはもうあの頃とは違う。
あの頃からは格段に成長しているはずである。
・・・・・・・・反射神経以外。
「よっしゃー!こいやー!!!」
そう叫んで気合を入れ直す。
彼は無言でシュート体制に入った。
なに!オーバーヘッドじゃないだと!?
オレは少なからず動揺したが、あのオーバーヘッドじゃないなら止められる!と思った。
しかし彼は、やはり只者ではなかった。
彼の渾身の力で蹴ったボールは、左隅のゴールに向かって走ってきた。
普通の人には、ちょっと難しいところだがオレならどうにかして届く範囲だった。
オレは力いっぱい飛んで手を力いっぱい伸ばした。
とどく!
そう思ったとき、なんとボールは急に軌道を変え、オレの俺の体の下を通ってゴールに入っていった。
オレは愕然とした・・・
ド、ドライブシュートだと!?
あいつはツ○サ君か?
と、そこで審判が試合終了のホイッスルを吹いた。
その瞬間、3年間思い続けた国立への夢が潰えた。
オレは決意する!
あっちがツ○サ君なら、こっちは若○君だ。
青春の夢は大きく、そして無限なのであった。