スウィート・ストーリー
俺は今、人生の最高点?にいるのかもしれない。
興味本位で出会い系に手を出し、今日初めて女の子と会う約束をした。
俺は今ハイテンションだ!
友達にも自慢してしまったぜー!
約束の場所のT○T○Y○に着いた。
「そろそろ約束の時間かな?」
俺は携帯の時計を覗き込む。
ただいま19時47分。
約束の時間は20時
まだまだ時間があった。
どうやら早く着きすぎてしまったようだ。
とりあえず暇なので本の立ち読みをする。
そういえば、相手の服そう聞くの忘れてたなぁ。
テンパって、入り口の近くにいるとしかメール送ってない。
そう思ったら、周りにいる女性が全部俺の待ち合わせの人だと思えてきた。
あっ、女性が一人近づいてきた。
・・・・・・・なんだ彼氏待ちかよ。
そんな問答を約15分間続けた。
そして、その瞬間は来た。
「あの・・・」
8時ちょっと過ぎに声を掛けられた。
「はい、なんですか?」
ちょっと声が裏返りそうになった。
「メールの方ですか?」
「そうですよ。」
極めて紳士的に答えてみた。
「そうですか、遅れてしまって申し訳ありません。」
「いえいえ、気にしないでください。僕も今来たところです。」
一度は言ってみたかった、このセリフ!
どうやら相手は、僕の返事を聞いて安堵したみたいだ。
「じゃあ、とりあえず外に行きませんか?」
そう誘われたら出るしかない。
この場合、主導権は相手にあると判断したほうがいい。
「わかりました。」
彼女の後を歩いて着いていく。
「この後、どうしますか?」
もちろん、あなたのお金でホ○ルに行きヤリまくりましょう、とは言えず・・・
「貴女に任せますよ。」
何も決められない男だと思われたくないが、いったい何をしていいのか分からないので相手に任すことにした。
「それじゃ、あなたの部屋に行きませんか?」
うおー!もうお誘いですか!?しかし・・・
「残念ながら僕は寮に住んでいるんで、それは無理ですね。」
女子トイレないし・・・
「えっ、そうなんですか?じゃあ、どうしよう。」
どうやら彼女は困っているようだ。
しかし、この状況で僕に出来る事は何も無い。
「ということは、今日は一緒に泊まる場所が無いってことですね?」
「え、ええ。そうですね。」
唐突に聞かれ、そう答えてしまった。
どうして彼女はホ○ルという選択肢が無いのだろう?
「じゃあ、いいです。きょうはごめんなさい。」
そう彼女は言って歩いて去ってしまった。
「えっ、あ、あの・・・」
後悔しても、もう時間は戻らない。
俺にもっとお金があれば・・・。
俺が打ちひしがれていると・・・・・
ポン ポン
と肩をたたかれた。
たたかれた方を見ると、そこにはメガネが似合う友人とサッカー大好きな友人がにこやかな顔でこっちを見ていた。
「吉○家に行かないか?」
「おごっちゃるぞ?」
俺はこのとき思った。
友情は硬いものでもあり、脆いものでもある。
あまり関係ないけどね。
そしてオレは、吉○家でブ○丼を奢ってもらった。
サッカー大好きな友人から肉を分けてもらった時、不覚にも涙が出そうになったのは秘密だ。
俺はこの日誓った。
必ず出会い系で女を見つけて一発ヤッテヤル!!!
俺はまだ知らない。
このあと、ものすごく後悔することに・・・