りん王国…そして歴史が始まる…
その両手は、夢を掴むためにある!

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別れよう

「なぜだ、なぜなんだ兄じゃー!」

「この国では、男と男の恋愛はご法度じゃ。」

ホテルの一室でマッチョな男共が語り合っていた。

「そんな法律、我等の愛で乗り越えて見せましょうぞ!」

「サブ、俺はもうお前を愛せない。」

「えっ!?」

サブと呼ばれた男は顔が真っ青になってゆく。

「実は俺・・・」

「ちょ、ちょっとまてよ。」

「男より・・・・」

「そっから先は言っちゃダメだー!」

「女のほうが好きなんじゃー!!!」

「ひどいぜ、兄じゃー!」

2人の雄叫びが部屋に響く。

プルルルル・・・プルルルル・・・プルルルル・・・

部屋に備え付けられていた電話が突然鳴り始める。

「はい。・・・・え?あ、すみません。・・・・・はい。・・・・すみませんでした。」

電話に出た兄じゃは頭をペコペコ下げて受話器を置いた。

「・・・・うるさいと言われたのでワシは帰る。」

兄じゃは上着を着て部屋を出ようとする。

「そ、そんな!まだ話は終わってない。」

兄じゃの腕にしがみつくサブ。

「もう、お前と話すこともない。別の男を見つけるんだな。」

そういうと腕を振り払い、サブを無理やり引き剥がす。

「兄じゃの中で俺はもう過去の男なのか?」

必死に兄じゃに問いかける。

「・・・お前は俺の記憶の中から消したい、ただの汚点でしかない。」

兄じゃは冷たくそう言うと、扉を開け部屋から出て行った。

部屋に残されたサブは、その場へ崩れ落ち涙を滝のように流し始めた。

「あの夜言った言葉はすべて嘘だったのかよ!」

サブの目は限界を知らないぐらい涙を流し続けた。


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